スクールビジネス

小学生の習い事に「プログラミング」は当たり前 専門塾に加え、進学塾も

 

子どもの囲い込みに動くスクールビジネスには、昔の私のように子どもの教育の素人がどんどん参入しています。

 

そして、ロイヤリティー、日々の運営費を稼ぐために、「集めやすい、儲かる教材・メニュー」を探し続けています。

 

ロボット教室、プログラミング教室、PCを使った英会話教室、テレビ電話を使ったオンライン英会話教室、よさそうなうたい文句に教室側も深く検証しないで導入(検証するのは費用対効果)し、親を喜ばせて子ども達の本来の成長の機会を潰してしまうという構図が出来上がっています。

 

いろいろなフランチャイズビジネス(FC)があります。

学習塾

幼児教室

プログラミング教室

ロボットプログラミング教室

その他スクール

 

私も経験がありますが、FCはお金をかりて始める人が多く、月々のロイヤリティーも高額で、オーナーの最大の関心は「お金」になります。

 

どれだけ集客できるか、単価を上げるか、そこに子どもの健全な成長などの考えは微塵もありません。(ある人もいますが、かなりの少数派です)

 

考えてみれば当たり前です。学習塾だけでなく、最近はパソコン教室が副業で学習系(勉強・英会話・ロボット教室)の教材を使って全く無知の状態で子どもの教育事業に乗り出しています。

 

FCにならなくても、有料の教材を使えば簡単に教室を開けるんです。

 

私も使ったことがありますし、そこにあるのは、いかに儲けるかです。

 

ちなみに、プログラミングで子どものクリエイティビティーが育つ?

 

どうして?

 

創造性が?  問題解決力?

 

なぜ?

 

論理的思考力? ・・・条件設定、チャート図を考えると、機械的な論理的思考はできるかもしれませんが、人間的な感情を排除した思考になりませんかね。

 

習い事漬け、テレビゲームやスマホゲーム漬け、テレビ、漫画漬け、勉強は簡単な反復程度という酷い環境からしたら、多少ましになるかもしれませんが、おぜん立てされた受け身の授業では育ちませんよ。

 

そろばんを頭の中に浮かべられるようになる程度で「算盤でイメージ力・右脳が鍛えられます」とうたうようなものでしょう。

 

糸山先生からはFBにこのようなコメントをいただきました。

 

”大人の利益のために、不毛な遊びを創りだすな。最先端の技術者が常に追い求めているのは「自然」だ。その自然を感じられないように育ててしまうと、再生のしようがないぞ。”

 

自然を感じられない親が自然を感じられない子に育ててしまっていることに、疑問は感じないのでしょう。もう習い事・塾で遊んでこなかった世代が親になっていますから。

 

プログラミング必修化が招く日本の地盤沈下

 

小学校の授業で、野球を必修化すれば誰でもイチローになれる。サッカーなら本田圭佑に、相撲なら白鵬。将棋なら羽生善治で、乗馬なら武豊に・・・それが可能と考えているかの文部科学省。小学校において2020年度から「プログラミング必修化」がスタートします。

 

読売新聞は2016年5月17日の社説を

“プログラミング 必修化を創造力育てる一助に”

と掲げ、「子供たちが早い時期からプログラミングになじむことで、IT分野で世界的に活躍する人材の輩出も期待できるのではないか」と語りますが、創造をかたちにする技術の1つがプログラミングであって、プログラミングを学んだから創造力が生まれるのではありません。

 

私は都立普通科高校卒業ながら、叩き上げの元職業プログラマー。いまでもプログラミングしており、小学5年生で出会った「BASIC」から数えれば経験は30年を超えます。だから断言します。プログラミング必修化は国力の低下を招きます。

 

 

引用元:http://asread.info/archives/3360

そろばん

そろばん教室でも、出身者でどんぐりの学年相当の思考力を問われる問題が最初から出来るような子はうちの教室には来たことがありません。(いるとは思いますけど私の教室ではゼロです)

 

長く通った子ほど歯が立ちませんでした。まぁ、自然に思考力が育っている子は1割もいないので、そろばんだけが悪いわけじゃありませんが、それでも今の時代、そろばん教室に通わせることはかなり危険だと思いますよ。

 

週に2日、3日、5日 も遊ぶ時間を潰して通わせて、何を得ようと?

無表情で単純作業を続ける集中力や忍耐力?

単純作業を高速で処理する力?

学校でもひたすらやらされているのに?

文章問題はすぐに集中力が切れて粘れないのに?

 

寺子屋でそろばんをやっていた大昔と今とでは環境が違います。しかも最近はフラッシュ暗算などという「本気?」と言いたくなる危険な遊びをさせています

利益の追及

スクールがビジネスである以上、利益を求めるのは当たり前です。

 

週1日よりも2日、3日、4日、小学校~中学校~高校と、出来るだけ多く、できるだけ長く通ってもらいたいと思うのは当たり前です。

 

塾に、教室に依存して(目先の)成果を出してくれた方がいいんです。

一人で勉強して成果が出るように育てようなんて絶対に思いませんから。

 

みなさんが教室のオーナーなら当たり前でしょ?

 

以前書いたブログ記事ですがご紹介します。

 

フランチャイズで塾を始めた頃、先輩塾長たちにいろいろアドバイスをもらいました。その中でも頭から離れないアドバイスがあります。

 

『週1回の小学生なんか預かったらダメ』

 

理由は、週に1回の学習で勉強の効果などでないし、出した宿題もやらずに来るのに親としては成績UPを期待するから、結局辞めてしまう。成績があがらずに辞めた人はネガティブスピーカーになるから塾の運営上マイナスになる。まあ、そんなところです。

 

『低学年のうちから週に2~3回通わせて宿題も含めてどんどん先取り学習をさせて、中学でもテスト対策を繰り返しやって、中3では毎日3時間くらい通うような塾にしておけばしっかり利益がでる。中3の親はあとがないから毎月5~6万はお金は出す』

 

こうした塾経営で成功している人の情報共有が当たり前の世界でした。

悲しいことですが、今もそうした塾がほとんどです。

週1回でダメなのは、パターン学習中心の塾の経営的にダメなだけで、子どもの能力を考えれば、与える刺激を変えれば、環境を整えれば、週に1回の授業でも抜群の効果は出ます。

 

ダメなのは、あくまで経営的な理由です。

今なら堂々と言えますが、当時はどんぐり倶楽部を知らなかったので、確かにそうだよなぁと思っていました。

 

どんぐり理論を学び、子どもたちの反応と照らし合わせると、パターン学習&反復学習中心の塾は、子どもの理解力や思考力を鈍らせつつ、テスト対策の繰り返し学習で目先の成績を上げ、鈍らせた頭でも実力以上の点数をとれるようにするために授業時間を増やし、自力で勉強できない子どもに育てながら、長くサポートしていくという、経営的には理想的な、子どもには最悪なシステムになっていると、今は思います。

 

そんな依存心の強い子に育てようなんて思わないでしょ?

でもそれぞれのスクールはお金を出す親にとても心地良いPRをします。

 

『自主学習の習慣と自分で考えさせるために手取り足取り教えません。』

 

これなんてとても良い響きです。

 

導入にアニメーションをみせても、

類題の解き方解説が最初の部分に印刷されていても、

裏面に答が印刷されていても、

AIが点をとる為の分析や対策をしていても、

ヒント満載のプリントでも、

定期テストの過去問から対策プリントを作って渡しても、

実は手取り足取り教え込んでも、

理解不足を大量の演習でカバーしても、

 

お金を払って面倒なことを外注して良いサービスを受けたい人にわかるはずがない。

藁をもつかみたい人が気にするはずがない。

 

加工食品だってパッケージとCMのイメージが命。

裏面の原材料まで見る人は少ない。

 

裏面までみましょうね、イメージを真に受けないようにしましょうね。

トクホのコーラは体にいいなんて思ったら大間違いです。

 

”たとえば、トクホのコーラ。「キリンメッツコーラ」や「ペプシスペシャル」にはアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKが全部含まれている。「その意味で、トクホでない普通のコーラよりも体に悪いとの見方もできる」。

 

これらがトクホに認定された理由は、難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれていて、それが脂肪の吸収を抑えるから。「脂肪の吸収を抑えても、ほかは水と添加物だけです。カラメル色素、酸味料、香料、カフェインが入っている」(渡辺さん)。

 

つまり、コーラは基本的に“化学物質のカクテル”なのだ。トクホの審査基準を疑う必要がある。「特定の成分や効果」ではなく、商品トータルで審査してほしい。”

引用元:http://toyokeizai.net/articles/-/48586?page=3

 

 

ビジネスなんですよ。勘違いする人が多く売れるから売り方を工夫したんです。

 

”お茶にコーヒー、コーラまで。これまで飲料メーカーはこぞって「トクホ」を発売してきた。飲料全般で競争が厳しくなる中、効果効能をうたえる分、価格を維持しやすいトクホはメーカーにとって魅力的。実際、キリンビバレッジがトクホとしてコーラ飲料「メッツコーラ」を2012年4月に発売してからわずか4カ月半で、初年度の販売目標を発売当初の6倍に引き上げるなど、トクホは市場拡大に寄与してきた。キリンビバレッジがメッツコーラを発売した約半年後には、サントリー食品インターナショナルが「ペプシ スペシャル」を発売して追随。その後も花王の「ヘルシアコーヒー」の後にサントリーが「ボス グリーン」を発売するなど、熾烈な競争が繰り広げられている。”

引用元http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20150226/278023/

 

企業が企業の利益を最優先するのは当たり前のことです。医療だってビジネスです。薬をたくさん売りたい、ベットは常に埋めておきたい、診療報酬額が低くなったら退院を促して診療報酬額の高い新規の患者を入院させる、利益を求めればそうなります。

 

子どもの医療費(自己負担分)が格安・無料なのだって、本当に家庭のことを考えてのことなのか疑問です。自己負担がなければ親は何かあるとすぐに病院へ子どもを連れて行くようになりますし、言われるがまま薬を飲ませ、生涯を病院にドップリ依存するのが当たり前の世の中になってしまいます。

 

本当に必要な子や家庭に必要なサポートをするのなら良いですが、過剰なサポートで本人も財政も悪化するのでは何のためのサポートかわかりません。

 

教育業界も似ています。ただ公教育に関わっている人の多くが ”善意” であることが問題の根が深い所です。善意のボランティア、善意の先生たちの頑張り、でも結果として子どもを潰している。だから、よく考えないと。

 

あぁ後はこんなアドバイスも受けましたよ。

 

先輩塾長たちのアドバイス