子どもたちの読解力が低下していると言われています。
そもそも読解力とは、何なのでしょうか。
『文章を読んで、その内容を理解する能力。』
デジタル大辞泉
とあります。
では「理解」するとはどういう事でしょう。
『1 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。「理解が早い」
2 他人の気持ちや立場を察すること。「彼の苦境を理解する」』
デジタル大辞泉
どうやら「わかる」ことのようです。
では「わかる」とはどういうことなのでしょうか。
『物事の意味・価値などが理解できる。』 大辞林
あれ、戻ってしまいました(笑)
辞書では、理解する、わかるが同義のようです。
読解力の話をするには、この「理解する=わかる」とはどういう事かを抑えておかなければいけません。
わかるってどういう事でしょう?
大人は子どもに「わかった?」とよく言いますが、わかるって大人もよくわかっていないのではないでしょうか。
「わかるとわからない」の違いってなんでしょう?
この違いを知らない教育者は、子どもにピント外れの指導をしてしまいます。
「何度も読みましょう。」
「声に出して読んでみましょう。」
「大事な言葉に線を引いて読んでみましょう。」
「書き写してみましょう。」
よく耳にします。
でもそれは間違った指導です。
『りんご』ってわかりますか?
わかりますよね。では、
『りんこ』ってわかりますか?
わかりませんよね。
『りんご』の濁点が無くなっただけなのにわからない。
では、
何度も読んでみてください。
声に出して読んでみてください。
線を引いて読んでみてください。
書き写してみてください。
『りんこ』ってわかりましたか?
これでわかったという方には、何度も読む、声に出して読む、線を引いて読む、書き写すことは有効だったということです。
おそらくそんな方はいないと思いますが、、、。
「わかる」と「わからなない:の違いについてはこちらの動画を見てください。
どんぐり倶楽部のホームページにはこう書かれています。
「思考力」とは、再現した視覚イメージを操作すること。
「理解力」とは、記号(言葉・文字)から視覚イメージを再現すること。
深い「読解力」とは、再現した視覚イメージから、感覚・感情を伴う原形イメージを再現し、感じ味わうこと。
「原形イメージ」は、実体験で感じ味わうことでのみ形作られる。したがって、感味力を損なう教育は思考力養成には、なり得ない。
どんぐり倶楽部のユーチューブチャンネルで読解力について解説されていますので、ぜひこちらもご覧ください。
実体験の質・量が読解力に大きく影響するということです。
小さい頃からプリントで国語の長文読解の問題を解かせていても、浅い読解力しか身につきません。
問題に答える前提で文章を読むと言うことは、無駄な部分を削ぎ落して読む練習になります。
必要なのは筆者の考えであって、自分の感情ではありませんので感情すらそぎ落として読む練習になってしまいます。
そして、読解力をつけるために「本を読みなさい。」というアドバイスですが、実体験が少ないといくら本を読んでも言葉から視覚イメージが再現されず、読めるけどわからない状態で、とても読解力が身につくことにはつながりません。
それに、読書も仮想現実での体験になりますので、幼児期・児童期においては、やはり実体験の方を優先すべきです。