全国の公立小中学校で、発達障害(といわれる状態)により「通級指導」を受けている児童・生徒が初めて9万人を越えていることが初めてわかりました(2016年)。
20年間で7倍以上増えたそうです。
”発達障害” ”学習障害” ”アスペルガー” ”ADHD” といった言葉が広く認知され、「うちの子、学習障害でしょうか。」と言った相談も増えています。
私は専門家でも研究者でもありませんので判定は出来ません。
専門家と言われる人の中でも ”生まれつき” ”ワクチンが原因” ”添加物や化学物質の影響” ”鉄分の不足が影響” ”水銀が原因” など様々な意見があります。(水銀は自閉症ですね)
もともと ”好奇心旺盛” ”我が強い” ”こだわりが強い” といった子たちが画一的なことを求められる学校に合わないのは理解できます。
ただ昔は学校にそういう子たちを受け入れる余裕があったのではないでしょうか。
今や、日本の学校の先生は ”世界一忙しい” と言われています。
しかもその忙しさが、授業の準備や子どもたちと直接触れ合う時間が長いのではなく、
”国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応”
”研修会や教育研究の事前レポートや報告書の作成”
”保護者・地域からの要望・苦情対応”
”児童、生徒、保護者アンケートの実施・集計”
”成績一覧、通知表の作成、指導要録の作成”
といった、多くの先生方が
”無駄だと感じている”
書類作成にあてられているのです。
急かされて、ゆっくりトイレにいく時間もない、家族とのんびり過ごす時間もない先生方に、学校のやり方から外れてしまう子どもにも特別な配慮をと求めるのは酷です。
では、現実問題としてじっと座っていられなくなってしまった子や、”癇癪” ”叫び声”をあげるようになってしまった子に何をしてあげればよいのでしょう。
私は専門家ではありませんが、教室に来た親子にこのようなアドバイスをしています。
もちろん、個別に普段の生活を細かく聞いて原因となりそうなところを確認しつつ個別のアドバイスをしますが、大体同じようなアドバイスをします。
○親は、怒鳴らない、急かさない、否定しない、命令しない。
○勉強(宿題も)制限 (落ち着いたらお絵かき算数ドリルは週に1~2問やる)
○高速計算・反射学習は厳禁 (計算プリント、算盤、フラッシュカード・暗算等)
○ゲーム機、テレビ、ネット等のデジタルメディアに触れる時間をゼロに近づける。
○習い事もゼロに近づけ、のんびりした毎日を心掛ける。
○外遊び・自然の中で遊ぶ時間を増やす。
○学校は行きたくない時は行かなくていい環境にする
○スナック菓子、清涼飲料水、菓子パン、その他添加物たっぷりの食品をやめる。
○砂糖を減らす。
1ヶ月もすれば大体改善します。
理由は研究者ではありませんので、確実にこうですということは言えません。
ただ少なくともうちに来た子たちは劇的に改善しました。
いつもイライラしていた子に笑顔が戻り、勉強の時間になると壁に頭を打ちつけていた自傷行為が収まり、表情が穏やかになります。
アドバイスは簡単に言えば
”子どもにあわせた生活環境を整えましょう”
ということになります。
今の子は忙しすぎるのです。
子どものペースで育つことを許されないのです。
人工的な音と光が多すぎるのです。
心が疲弊しているのです。
想像してみてください。
毎朝行きたくもない会社に行き、上司からはねちねち嫌味を言われ、大声で怒鳴られ、同僚はお互いの悪口の言い合い、生産性度外視のただの単純作業の仕事の繰り返し。
不機嫌な満員電車の乗客、家に帰ればガミガミうるさい配偶者、終わらない仕事を寝る時間を削ってまでやり続ける毎日。
土日のお休みは自分の好きなように使えず、配偶者の実家の仕事のお手伝いか上司と接待ゴルフ。たまにパチンコ屋で一日中あの音と光にさらされる。
大人には働く理由が何とか見いだせます。
嫌でも納得できなくてもやらなければならない理由を見つけられるのです。
困難に立ち向かうための ”心の土台” は12歳までに作ってあげるのです。
無理をしていいのは自分で判断し、選択できるようになる12歳以降のことです。
社会に出たら理不尽なこともあるからと、小さい頃から理不尽な仕打ちをして育てると、子どもの ”生きたい” というエネルギーまでそがれてしまいます。
それが ”発達障害児の増加” という形で表れているように思えてなりません。