”海”という言葉から何をイメージするか、それはその人が育ってきた環境によって異なります。
日本海側の海の近くで育った人、沖縄の海の近くで育った人、海のない場所で育った人、地中海のそばで育った人、育った環境によって”海”という言葉から再現される記憶と感情はその人独自のものです。
私自身、”海”という言葉から再現される記憶は、小さい頃に父親と兄と一緒に(多分勝浦の)海で魚をヤスで追いかけたこと。
サマーキャンプで(多分伊豆の海で)遠泳した(させられた)こと。
大学時代に九十九里で片貝の海を楽しんだこと等々。
それらの体験の記憶から再現される波の感覚と水の冷たさ、水の塩っ辛さ、太陽の暖かさ、海の深さ、自然の雄大さ、そして…楽しかった、怖かった感情。
学校の授業で習った世界の海の名前、海と陸との比率など、思い出すことは出来ますが、とても薄っぺらい、取るに足らない記憶です。試験が終わったら不要な記憶です。
小さい頃に自然を味わい楽しんだ経験は、人生を豊かにする一生の財産です。
勉強やデジタル機器の遊びで自然を味わう経験をする時間が奪われるのはとてももったいないことです。
味わい、体験した経験は記憶に深く刻まれますので実は ”学校の勉強”にも大いに役立ちます。
”太陽と影” ”浮力” ”潮の満ち引き” ”濃度” ”水流” ”海の生き物” ”気温と水温の変化” ”海流”、学校で習う時に体験している子とそうでない子では理解度がまるで違います。
”勉強”に役立つという理由で自然体験を増やすというのはどうかと思いますが、”勉強”にも役立つのですから、是非子どもたちを自然の中に連れ出してあげて下さい。
何十年たっても楽しかった感情と共に再現できる記憶と”言葉”をつないであげてください。
さて、私の三人の息子たちは ”海” という言葉からどんな記憶と感情を再現するのでしょうか、波乗り、カヌー、キャンプ、釣り、たき火、20~30年後に聞いてみたいものです。