「うちの子まだ指をつかって計算しているんです…」と悩むお母さんがたまにいます。
「指を使わないで計算しなさい!」という学校の先生がよくいます。
先生によっては「指をつかっていいですよ」と言ってくれますが、2~3年生頃からだんだん使わせない先生が増えてくるように思います。どちらがよいでしょうか。
私の長男は小6でもたまに指をつかっていました。
それどころか私自身も指を使うことがあります。
1桁の数を指を折って数えるということはありませんが、左手は万の位、右手は千の位、十の位と一の位は暗算でといった感じです。
頭の中に数のイメージを維持できない時に指を使います。
まぁ最近は電卓を使ってしまいますけどね。
以前、40代後半の方から「算数を教えてほしい」と相談の電話がありました。
教室で話しを聞いてみると、”1桁+1桁”の計算でさえ自信を持って答えられず、その自信のなさから、これまでの人生でいろいろなことをあきらめてきた。
昇進のチャンス、新しい仕事のチャンス、小学校1年生の計算を暗算で出来ないという不安から、全て逃げてきたそうです。
その方は子どもの頃、算数で指を使わせてもらえず、勉強に関して父親に叱られ続けた過去がありました。
”7” を表すために指を7本立てるにも、1から順番に数えなくてはならいないほど数の感覚が身についていませんでした。
体の中で数を感じられるのは ”指” です。
片手に5本両手に10本の指があるから、数の世界では10進法が発展したのです。
その指で数を十分に感じさせないと、数や計算の概念を理解するときに躓きます。
躓くどころではなく自信が持てなく なったり、心が不安定になったりします。
ですから、「うちの子まだ指をつかって計算しているんです…」というお母さん、思う存分使わせてあげてください。
そのうち自然に使わなくなりますし、一生使っていても困ることはありません。
”指” を使わないように指導したほうが困った結果になります。
オタマジャクシの尻尾はそのうち自然と無くなります。
無くならなくてもそれほど困らないでしょう。
でも、無理やりとってしまったら…傷口から黴菌が入って命に係わります。
ちょっとたとえが悪かったですか…(笑)