”先取り学習はしないほうが良くても、学校で習うことは体験しておくことが必要です。”
といわれても、それってどういうこと? どうすればいいの?
と悩まれる方もいることでしょう。
それほど大変なことではありませんが、今の生活スタイルによっては、かなり意図的に体験させないといけない家庭もあるかもしれません。
例えば、物を分けた経験がない子というのは、割り算の単元で躓きやすいです。
15÷3=5
「これを3の段で答えが15になるのはいくつ?」などと答えを導き出そうとする指導者もいますが、それは割り算の概念を理解せずに答えだけ導く、ただのテクニックです。
15÷3=5 には 二つの意味があります。
1つ目は、上の図の左側
15個のものを3人で公平に分けたら1人分は何個か?
2つ目は、上の図の右側
15個のものを3つずつのグループに分けたらいくつグループができるか?
これを子どもたちが理解するためは、具体的なものを分けた経験が必要なんです。
一度や二度の経験ではありません。普段の生活のなかで、当たり前のように経験している必要があります。
昔は、兄弟が多くおかずやお菓子を分ける経験が豊富にできました。
遊び場にはたくさんの子どもたちが集まるので、グループ分けをすることも普通でした。
今の子どもたちの生活はどうでしょうか。
最初からわけられたおかずやお菓子ばかりではないでしょうか。
習い事やスポ少では大人がグループ分けをしてしまってはいないでしょうか。
絵を描かせるとわかるのですが、”8つの半分” がわからない低学年の子たち、”半分の半分” がわからない高学年の子たちがざらにいます。
これでは学校の授業を聞くだけで理解するのは難しいでしょう。
だから、先取り学習や予習で備えようという気持ちはわかるのですが、それは効率が悪く、長い目で見ると逆効果なのです。実体験こそが必要なのです。