都会でも田舎でも鳥の声を聴く機会はあります。
私が住んでいる ”我孫子市” は手賀沼があり多くの野鳥が観察できる野鳥の宝庫です。
手賀沼のほとりには、鳥だけを扱った ”鳥の博物館” もあり、鳥に関心を持ち、鳥の声を聴くにはとても良い環境です。
隣の畑には雉が現れ、春にはウグイスの鳴き声が響き渡ります。
”雉も鳴かずば撃たれまい”という諺も、雉そのものと鳴き声をきいて納得しました。
松戸の市街地から引っ越した当初はうれしくて、
「あっ ウグイスが鳴いてるね」「雉が鳴いたよ」と良く子どもたちに言っていました。
子どもたちの返事は大抵 「えっ あっ ほんとだ」 でした。
同じ場所にいますので、同じように声は届いているはずなのに聞いていない、聞えていないということがわかりました。
街に住んでいるのに ”電柱” も ”電線” も知らないという高学年。
てんとう虫を知らない、カブトムシとクワガタムシの違いが判らない高学年。
そういった子たちとの出会いから、産まれて数年の子どもにとっては、この世界は知らないことばかりなので特に驚きはしませんでしたが、具象物だけではなく、音を聴くことも意識的に訓練しないとなぁと思いました。
訓練といっても難しいことはありません。
「し~ 何か聞こえるよ」
「あれ、なんの音だろう」
と言って意識を向けてあげるだけです。
それだけで、子どもたちはいろいろな鳥の声、自然の奏でる音に耳を傾けて楽しめるのです。
四季を通じて、自然はいろいろな音を届けてくれます。
私たち大人が、それぞれの音に一緒に耳を傾けてあげれば、子どもたちは周りにある様々な音を聞き分けられるようになります。
アブラゼミの鳴く声、ヒグラシ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシ、あの真夏の大合唱の中から子どもたちはそれぞれのセミの声を聞き分けるのです。
テストには役立たないかもしれませんが、自然の音を聞き分けて楽しむことができるというのは、きっと人生を豊かしてくれることでしょう。