小学校の算数学習の現場には「は・か・せ」という言葉が浸透しています。
は・・・早く
か・・・簡単に
せ・・・正確に
誰が、いつ頃言い出したのかは不明ですが、今現在かなり広がっています。
計算が早く出来ることが凄い。
これに否定的な人は少ないでしょう。
子どもたち自身もそう思っていて、同じ課題を終わらせるのに時間を競っています。
でも、本当に早くできることがよいことでしょうか。
早く・速くと急かすことが、子どもの心と頭の成長に良い影響を与えるのでしょうか?
ぱっと見て、反射的に答えが出ないと「わからない」という子たちへの影響は?
早く・速く、これで考えることが出来るのでしょうか?
出来ません。早く・速く出来るのは処理だけです。
人間は、じっくり「考える」ように出来ているのです。
早く解くためには最短で答えにたどり着くのが良い方法ですから、公式を教えて、そこに数字を当てはめて答えを出すように指導されます。
子どもたちに必要なのは、遠回りでも自分自身で試行錯誤をして考えること。
そうして見つけたやり方は自分自身のやり方となり、本当の自信につながります。
正確に答えを出すことが出来ることは大事です。もちろんその通りです。
だからこそ、早さを求めてはいけないのです。
早くやることに意識がいくと当たり前ですが、”雑” になります。
新人に仕事を教える時のことを考えてみればいいですね。
まず、これは何のためにやるのか、その理由を説明します。
そして、手順を教えながらやってみせます。
そばで見ながらさせてみます。
間違えても叱りません。
正しい手順で出来るようになるまでが上司や先輩の役割です。
まずは、理解して正確に出来るようになるのが大事です。
早さはあとからついてきます。
新人に、いきなり大量に仕事を渡して、はやく!無駄なく! 正確に! なんてさせないはずです。させたら、新人は仕事が身につきません。
ですから「はやく・かんたんに・せいかくに」 は、小6時点の到達目標であって、
単元の内容を習得する時のやらせ方ではないと思いますが・・・違うのでしょうか。