「計算問題はできるけれど、文章問題が苦手」
というお子さんが多いですね。
あまりにも多くて、みんな同じなんだ、子どもはそういうものなんだ、と勘違いをしてしまいそうになりますが、文章問題が得意な子はいます。
文章問題をたくさん練習して、得意になったという子が多いでしょう。
でも、解き方を 知らない「初めて見る文章問題」では、
たくさん練習してきた子たちでも、その問題の練習をしていないので解けません。
しかし、そんな「初めて見る文章問題」でも難なく解ける子たちがいます。
「生まれつき頭がいい子だ」という意見がありますが、
私はそれだけではないと思っています。
もちろん、遺伝的に賢い子というのはいますが、誰もが「初めて見る文章問題」でも解けるようになるのを普段から目にしていますので、遺伝で片付けることは出来ません。
では、そうした子たちはなぜ「初めて見る文章問題」でも解けるのでしょうか。
簡単なことです。
「考える」という具体的な方法を知っているからです。
「考える」という具体的な方法は知らなくても、身についているからです。
そして、解き方を知らなくても考えれば答えは見つかるということを経験として知っているからです。
だから、子どもたちに「考える」とは具体的にどういうことかを教えてあげて、
その練習をすればいいのです。
もうひとつ、子どもたちに文章問題が苦手と思わせている理由があります。
それは、文章問題の解き方が間違っているからです。
一般的に、小学校で出てくる文章問題というのは、最初に式をたてます。
そして計算をして、答えを出します。
整理すると
①立式
②計算
③答え
この順番です。
実はこのやり方は、とても難易度が高いやり方なのです。
例えば、高学年でも解けない子が多いこの問題、
何もヒントを出さずにお子さんにさせてみてください。
(読めない漢字は教えてあげてください)
「わからない」
「かけ算?割り算?」
と言うかもしれません。
「わからない」という場合、言葉の意味が分かっていないケースもあります。
”三つ目小僧” ”一つ目小僧” という言葉の意味がわからないかもしれません。
”2人多い” がわからないかもしれません。
”全員” がわからないかもしれません。
ただ、全ての言葉の意味が分かっていても、「式が立てられないから(何算かわからないから)わからない」 で終わってしまうケースがほとんどでしょう。
しかし、問題文を絵にして答えを探すというやり方を知っていて、その練習をしている子なら、初めて見るこの問題を小学一年生でも解くことができます。
実際に小学一年生たちが普通に私の目の前で正解を出しています。
右の図は小学4年生が体験学習に来た時の作品です。
上の式が「好きなやり方でやってごらん?」と言ってやってもらったもの。
真ん中の絵が、「ここ(一文)まで読んで絵にして、絵にしたらまた読んで絵にして、最後まで絵にして、もう1回解いてごらん?」と言ってやってもらったものです。
この問題の解き方を教えたわけではありません。
同じ日に、同じ机で、同じ鉛筆で、当然同じ子がやりました。
この子の能力が急に高まった?
そんなことはありません。
下の画像は5年生の子が体験学習の時にやったものです。
左が「好きなやり方で解いてみて」と言ってやってもらったもので、右が「一文ずつゆっくり読んで、絵にして答えをさがしてみて」と言ってやってもらったものです。
同じ子が、同じ日に、同じ場所で、解き方も教えずに、これだけ違うのです。
もともとあった能力の出し方を教えてあげただけです。
学校の文章問題のやり方に慣れていても、式を立てないで絵を描くというやり方を教えてあげると、すぐに答えを見つける子は少なくありません。
この問題を1つの式にすると、
(22-3×2)÷(1+3)+2=6
になります。
「計算の決まり」という単元で知識としては教わりますが、問題文を読んでいきなりこれを立てられる小学生は何パーセントいるでしょうか。
ばらけて式をたてると
3×2=6 ・・・2人多い三つ目小僧の目の数・・・①
22-6=16 ・・・①を除いた同じ人数ずついる三つ目小僧と一つ目小僧の目の数・・・②
1+3=4 ・・・三つ目小僧と一つ目小僧1ペアの目の数・・・③
16÷4=4 ・・・②の中に③(ペア)がいくつあるか。・・・④
4+2=6 ・・・④と多い三つ目小僧の人数を合わせると三つ目小僧全員の数がわかる。
最初に式をたてて・・・ではまず解けません。
つまり子どもたちが普段の勉強で刷り込まれている、「まず最初に式をたてて」というやり方は、子どもの能力を著しく制限するやり方なのです。
おまけに、絵図は描かずに、指は使わずになどという指導をされてしまっては、頭の中で絵図が描ける子しか解けないんです。
力がつく文章問題の正しいやり方は、
まず絵図を描いて、
計算をして、
答えを出して、
最後に式をたてる。
これなんです。
そして、解き方を知らない文章問題を楽しみながら絵図を描いて解くことで地頭が鍛えられ、結果として学校のやさしい文章問題は簡単に感じるようになります。
お子さんに説明しにくい方は、お子さんと一緒にこの動画を見てください。
学校でやる文章問題の文章が面白くない!
これ、子どもたちに聞いてみてください。
激しく同意すると思います。
文章自体が面白くないから楽しんで出来ないんです。
例えば、
「折り紙が40枚あります。1人に8枚ずつ配ると何人に分けられますか。」
なんて事務的なんでしょう(苦笑)
この問題を楽しむことなんで、私にはできません。
私なら、テストではこういう事務的な問題でも解きますが、普段の学習ではやりたいと思いません。子どもたちも同じです。
これは、お絵かき算数ドリルの問題です。
桃太郎が鬼退治に出かけると、猿と犬と雉がきび団子を頂戴と言ってきました。桃太郎は猿には犬より2個多く、犬には雉より1個少なくあげました。最初20個あったきび団子は5個残っています。猿、犬、雉はそれぞれ何個きび団子をもらったのでしょうか。
桃太郎の絵を描くところから始まるのです。
子どもに楽しみながら考えて欲しいと思ったら、せめて文章問題の文章自体を楽しいものにしてあげたいですね。
年齢が低ければ低いほど、楽しい物語の中に入り込んで深く読解し、想像を広げていきます。
まだ「勉強」に出会っていない年長さんたちは「式」「足し算」「引き算」など知りません。
でも文書を読んであげさえすれば、オリジナルの絵図を描いて自力で答えを見つけることが出来るのです。
このオリジナルの絵図を描くことが大事なんです。
他人の描いた絵図で説明されても、すぐに忘れてしまうので何度も何度も繰り返し練習をしなければならないのです。
三つ目小僧チームと一つ目小僧チームがドッジボールをしています。三つ目小僧チームのほうが2人多いようです。全員の目の合計は22個です。三つ目小僧チームは何人いるでしょうか。
約8分半の動画で解説します。
わかるとは、考えるとは、こういうことだよとお子さんに教えてあげてください。
そして、試してみてください。
<S5級-05>★★
三つ目小僧チームと一つ目小僧チームがドッジボールをしています。三つ目小僧チームのほうが2人多いようです。全員の目の合計は22個です。三つ目小僧チームは何人いるでしょうか。
この問題を印刷した余白たっぷりの紙を渡してこうやってみてください。
『この問題は算数の文章問題だけど、式を立てずに、文章を全部絵にしてやってみよう。』
『まず、”三つ目小僧チームと・・・・・をしています。” ここまで絵にしてみよう。』
『描けたら次ね、”三つ目小僧チームの方が2人多いようです。” さっきの絵をこの状態にしてみよう。足りなかったら描き足して、多かったらバツで消せばいいからね。』
『描けたら次ね、”全員の目の合計は22個です。” 全員の目の合計が22個になるように絵を変えてみよう。』
『描けたら最後、質問ね。”三つ目小僧チームは何人いるでしょうか。” 絵の中に答えが出ているから、それをかぞえるだけね。』
学校の勉強は、解き方を教わって類題をこなせばテストで良い点を取ることができます。
残念ながら、今の小学校や中学校、ほとんどの塾でそういう勉強をさせます。
学校のテストで良い点を取るための努力が、これからの時代に社会で必要となる能力を身に付けることに繋がっていないんです。
単純な仕事はどんどん人工知能が奪っていきます。
言われたことを言われたとおりに頑張るという能力では、やれる仕事がなくなっていくんですね。
大学入試制度も変わります。
高校生になってから、自分の頭で考える訓練をすれば対応できるか?
それは難しいと思います。
現時点で小学生であれば、新しい入試制度で受験をすることになります。
しかし、教育現場はまだ変わっていません。
変わるのを待っている時間はありません。
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