地頭を鍛える学習をするうえで大切なことは、”ゆっくり” ”じっくり” 考えることです。
そのために、お母さんたちにお願いしているのが、”単純な計算問題のドリルやプリントをさせないでください” ということです。
文章問題でも計算は使います。
これをこうしたいからこう計算するというつながりのある計算練習ができます。
しかし、最初から書かれた計算問題はただ作業のように決まった処理をするだけですので頭を使いません。
子どもたちをよく観察してください。
小学3年生の掛け算筆算、朱学4年生の割り算筆算、演習問題を大量にやらされている子たちは口々に体の不調を訴えています。
”頭が痛い” ”気分が悪い” ”頭が割れそう” ”気が狂いそう” ”イライラする”
実際にそのような言葉で訴えても、”勉強” である以上逃れられないのです。
普段からそのような状態にある子たちに、解いたことがない難問を自力で解く学習をさせようとしても、単純な反射的な刺激に慣れた頭は拒絶してしまうのです。
お願いです。どうか子どもに計算問題をあまりさせないでください。
そして、シャキッとした頭を使いながら地頭を鍛える学習を楽しませてあげてください。
計算問題を速くやるには、いちいち考えないで反射的に答えを出すことが必要です。
地頭を鍛える時期にはその反射的な反応が邪魔になるのです。
例えば、678×382= というよくある計算問題を細かく見てみると、
こんな単純計算が入っています。(全部拾えたか怪しいですが・・・)
2×8=16
2×7=14
4+1=5
2×6=12
2+1=3
8×8=64
8×7=56
6+6=12
5+1=6
8×6=48
8+6=14 右上へ
1+4=5
3×8=24
3×7=21
1+2=3
3×6=18
8+2=10
1+1=2
5+4=9
3+2+4=9
1+4+3=8
5+0=5
簡単な足し算と九九が この筆算の中に ”22回” も入っていました。
掛け算の筆算は理解してしまえば、2桁×2桁も5桁×5桁もやり方は同じです。
多少大変ではありますが、10桁×10桁だってやることは同じです。
簡単な足し算と九九しか使わないのです。
678×382= と同じような問題を10問やったら220回、50問やったら1100回も単純な計算を繰り返すことになるのです。
大人でも実際に大量の計算問題をやってみると ”頭が働かなくなる” のがわかります。
だんだん頭がぼ~っとしてきて、クラクラしてきます。